2024年の記事
WordPressでの更新作業を簡単・便利に行うためのブロックエディターTips
ブロックエディターとは、WordPressで構築されたホームページの投稿記事や固定ページに記載する見出し、段落、画像などの各コンテンツを『ブロック』という単位で編集する機能です。
このコラムでも3年ほど前に概要を紹介しましたが、元々多機能な上に、アップデートによる仕様変更や機能追加が頻繁に行われるため、ホームページの管理者の方々にとっては難しそうに感じられることもあるようです。
そこで今回は、作業負担を軽減して作業の効率化を図るとともに、質の高いページの作成を実現できるような、ブロックエディターの便利な使い方を紹介します。
①ブロックを複数選択して移動、複製
キーボードの『Shift』キーを押しながら目的のブロックを2つ以上クリックすると、複数のブロックが選択された状態になりますので、このまま複数のブロックを移動したり複製したりすることができます。
②Word、Excel、Power Pointで作成した表、グラフ、スマートアートを流用
これらのソフトで作成した表をコピーしてエディター上に貼り付けると「テーブル」ブロックとして、グラフとスマートアートは「画像」ブロックとして登録することができます。
※Excelの表の体裁とWordのグラフは貼り付け不可(図参照/'24年8月現在)。
ブロックエディターにコピー・貼り付けできるデータ
表 | グラフ | 図 | |
---|---|---|---|
Excel | × | ○ | ○ |
Word | ○ | × | ○ |
PPT | ○ | ○ | ○ |
③「カラム」ブロックで複雑なレイアウトを実現
カラム(列)を2列、3列に設定し、一方に画像や表、一方に説明文などを掲載して、視覚的効果の高いページを作成することができます。
※スマートフォン表示用に縦並び・横並びが選択可能。
④多数の画像を掲載したい時はギャラリーブロック
1、2枚程度の画像なら「画像」ブロックでも問題ありませんが、写真を何枚も並べたい時は「ギャラリーブロック」が便利でお勧めです。アップロードから画像サイズやリンク先など、複数画像の指定を一括で行うことができます。
※パソコンとキーボードを使用した更新作業を想定しています。
タブレットやスマートフォンでは同様の操作ができない場合があります。
自社のホームページがどの端末で多く閲覧されているかご存知ですか?
2010年頃から急速に普及したスマートフォンへの対応のため、コンパスでは2012年に、ホームページを大小様々な端末の画面サイズに最適化して表示させる『レスポンシブWebデザイン』の提供を開始しました。それから10年以上が経過し、現在ではどのホームページの運営者も「スマートフォンで閲覧している人が多くなっているようだ」という認識を持っていることでしょう。
しかし、そのような変化を漠然と感じてはいても、実際に全体のユーザー数に対してスマートフォンユーザーがどの程度の割合を占めているか、把握している人はそれほど多くないように思えます。そこで今回はアクセス解析ツールを使用して、業種別にホームページのユーザーの利用端末の割合を調査してみました。その結果、病院や商店など個人向けのホームページの場合は約4分の3がスマートフォンユーザーでした。他方、建設会社や介護施設などはスマートフォンユーザーとパソコンユーザーがほぼ半数ずつで、コンパスに至ってはパソコンユーザーが3分の2を占めていました。未だにパソコンユーザーが多いホームページは、内容が企業間取引(B to B)であるという理由だけでなく、ユーザーの年齢層、行動、地域性なども影響していることが推察されます。
このようなデータを元に、どの端末にどのように自社のホームページを対応させていくかを検討してみることをお勧めします。
ホームページの閲覧時の端末とOSの割合(業種別/一例)
データ収集期間:'23.4.1~'24.3.31 / データ参照元:Google Analytics
メールに関するトラブルが後を絶たない理由
コンパスにはメール関連のトラブルのご相談が日々寄せられていますが、それらの内容について最近の傾向を概観すると、「有名企業を名乗るなりすましメールが頻繁に届く」「急にGmail宛のメールだけ送れなくなった」「自分のアドレスを騙って大量のメールが送信されている」など、外的要因によるものが目立ちます。これらのトラブルの多くは、メールのシステムやネットワークに対して誰かが何らかの操作を行うことで発生しています。悪意のある攻撃者によるスパム行為はわかり易い一例ですが、メールサービスの提供元が行ったセキュリティー強化などの仕様変更が一因となる場合もあります。
メールに関するトラブルが多発する理由としては、元々のメールの仕組みが脆弱であったことが挙げられます。1970年代の開発当初、メールは研究者や技術者などが限られた環境で使用するためのツールとして捉えられていて、セキュリティーやプライバシーに関する規格は殆ど実装されていませんでした。このような脆弱性を抱えたままで、インターネットの発展と共に広く一般に普及してしまったのです。メールの黎明期から今日に至るまで、トラブルに見舞われる度に対処方法が開発されてはいますが、完全な脆弱性解消には至っていないという状態が続いています。
こうしたメールの仕様を踏まえた上で、「メールにトラブルはつきもの」と割り切って継続利用するか、メッセージ送受信アプリなどの代替ツールに乗り換えるか、検討が必要になる日は案外近いのかも知れません。
ホームページの改ざん被害 発生時の状況とその後の対処
2023年のホームページの改ざん被害の件数※を集計したところ、前年比で約36%と、数値としては減少しているようです。しかし、同年にコンパスで対応したホームページの改ざん被害件数は過去最高の3件でした。推察ではありますが、被害発生について報告されていない事例が多いことや、弊社とWeb関連の業務でお取引きいただいている企業・団体が増加していることなどが理由として挙げられます。
一旦被害に遭ったホームページをクリーンな状態へ完全に復旧させることは困難を極めます。直近の殆どの事例では、Webサーバを新規に取得し、改ざん前のバックアップファイルがあれば復旧し、なければゼロから構築する、という対処を行っています。更に最近の改ざん被害では、Google等で自社名をキーワードにして検索するとブランド物や健康食品などが掲載された無数のWebページが表示されてしまう、という被害も発生しています。これらの不正なページを検索結果からすべて削除させるまでに、長期間を要する場合もあります。
コンパスでは日頃から改ざん被害の予防と対策として、Webサーバの管理やお客様への周知などを行っています。ただ、改ざんに使用されるプログラムは日々巧妙化、複雑化しているため、確実に防止することはほぼ不可能と考えています。前述のように被害発生時は状況分析や対処方法の選択など、最善策の実施に努めていますので、ご心配事などがあればお問合せください。
※引用元:独立行政法人情報処理推進機構『インシデント報告対応レポート』(2023年・2024年)